労働者派遣法改正案要綱が諮問・答申

●2月17日 労働政策審議会職業安定分科会
労働者派遣法の改正案要綱が諮問。
[参考リンク]>>報道発表資料(厚生労働省)

労働側・新谷委員の「部会で労使がぎりぎりの議論をして出した結論(報告)に基づいて出された内容に変更はないか」と確認。厚生労働省・鈴木課長は「報告に沿ったもので変更はない」と回答すると、再度、労働側・新谷委員は「法案要綱を、部会に戻して検討すべき」とし、翌日、需給制度部会が開催されることになりました。

●2月18日 労働政策審議会職業安定分科会需給制度部会
前日、諮問された法案要綱について説明。労使委員からいくつか質問が出されました。
労働側・長谷川氏
①「五 労働者派遣事業の業務の内容にかかる情報提供義務の創設」に「平均額」とある。前回の20年法案と書き方が変わったのではないか。
②「六 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置」は「中途解除」ではなく「解除」とのみしているが、特定していないということか。
③「十五 日雇派遣労働者についての労働者派遣の禁止」では「適正な雇用管理」としているが、「労働者保護」と同じと考えてよいか。
④「十九 労働契約申込みみなし制度の創設」の「(一)労働契約申込みみなし」にある「その時点」とはいつか。
厚生労働省・鈴木課長
①書き方は変わったが、内容は変わっていない。
②指摘のとおり。「解除」を特定しなかったため。
③労働者保護をどう具体化するか考えた。
④違法な派遣が行われた時点だ。
使用者側・高橋委員
①「六 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置」は指針から条文への移行と聞いたが、指針とかきぶりが違うがどういうことか。
②「十七 派遣先の協力」の「同種の業務」とは何か。
厚生労働省・鈴木課長
①内容的には指針と同じ。指針では「損害賠償」としているが、法律条文で損害賠償とすると限定されるために書き方を変えた。
②まったく同じ業務でなくても類似の業務になるだろう。具体的には今後、議論をしていくことになる。
労働側・小山委員
・「常時雇用する」とはどういうことをいうのか。
厚生労働省・鈴木課長
・現在の業務取扱要領の内容と同じで「1年を超えて働いているか」「1年を超える見込みがあるか」になる。明確化が必要ならば指針に書き込む。
使用者側・高橋委員
①「二十 法違反の是正に係る勧告」にある「指導又は助言の前置を要しないもの」は悪質な違反に限定と考えてよいか。
②「第二」の「二 派遣先への通知」の(一)にある「常時雇用する」は特定派遣に限定か。
厚生労働省・鈴木課長
①そうだ。
②限定ではない。一般派遣も同様だ。

●2月24日 労働政策審議会職業安定分科会需給制度部会
労働側・長谷川委員 前回(20年法案)のときもまとめるのがたいへんだったが、今回も前回以上に大変だった。今度こそ廃案になることなく成立させてほしい。いろいろあることは理解しているが、一度にはできない。
使用者側・高橋委員 今回の法案要綱は昨年の法案要綱に沿ったもので、おおむね評価できる。
労働側・小山委員 派遣法は1985年の制定以来自由化が進められてきたことが原因で問題が広がった。規制強化に向けた改正がおこなわれることに意義がある。しかし、まだまだ不十分だ。働いている労働者の状況を見ながら、見直しを進めてほしい。
使用者側・市川委員 登録型と製造業務への派遣の原則禁止によって労働力の確保が難しくなる。施行までの間、十分な予算措置をとって対応してほしい。
[参考リンク]>>報道発表資料(厚生労働省)

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