分科会レポート(2009年12月28日開催分)

部会で了承された「今後の労働者派遣制度の在り方について(部会)(案)」(以下「部会報告」)が、労働政策審議会職業安定部会に提出された。
分科会では清家部会長が報告した後、厚生労働省・鈴木課長が部会報告を読み上げ、その後、議論が行われた。
厚生労働省では、部会報告をもとに法案を作成し、通常国会に法案の提出したいとしている。

使用者側・市川委員 部会ではときとして激論を闘わせた。そうした中でまとめていただいた努力に敬意を表する。部会でも申し上げたが、4点について指摘しておきたい。
まず、ひとつめ。今回の見直しのきっかけは、大臣の諮問にあるように昨年秋以降の派遣契約解除の多発だ。100年に1度の不況といわれる中、まずは景気対策をやってほしい。
二つ目。セーフティネットの充実も必要だ。
三つ目は、派遣労働者から正社員になるための職業能力開発も実施してほしい。派遣労働者の能力開発の機会が少ないとの指摘があった。央職業能力開発協会などで取り組んでほしい。
四つ目。派遣の業界団体が機能していない。自主的な規制で改善できるところもあると思っている。予算措置も含めて検討してほしい。
厚生労働省・鈴木課長 (社)日本人材派遣協会では、自主的ルールを作成して派遣先にもお願いをしている。健全な業界団体の育成は必要だと考えている。
使用者側・石井委員 中小の零細企業は予測できない状況にある。見直しの規定もあるので、問題が発せしたら速やかに対応してほしい。
使用者側・荒委員 統計資料はどうやってとっていくのか。
厚生労働省・鈴木課長 毎年事業報告を提出していただいている。このたび、省令を改正して毎年6月1日現在の状況をすぐに発表できるようにした。部会では、特に中小企業の実態について指摘があったので、今後、こうした調査結果をもとに議論していただくことになる。
労働側・斎藤委員 製造業に絡んでだが、指摘があったようにこれからどうなるか予測できない。労働側としても、問題があった時点で迅速に対応してほしい。その際、労働者保護の観点が必要だ。どこの現場で何人働いているかわからないという扱いも散見されていた。労働者保護の観点を踏まえてほしい。
職業紹介については、毎日紹介して毎日手数料を取るといったケースもあると聞いている。また、賃金を紹介元で払い続けているといったケースもあると聞いている。整理してしっかり取り組んでほしい。
厚生労働省・鈴木課長 ご指摘の点については通達を発出している。紹介手数料については安定行政、賃金支払いについては基準行政で連携して取り組んでいく。また、労働者派遣制度以外の需給調整についての検討を行うことを予定している。
労働側・?委員 業界団体の健全な育成は重要だ。先程、人材派遣協会の名前が出たが、製造業請負の業界団体についても考慮してほしい。
「9.暫定措置」の(1)の「比較的問題が少なく労働者のニーズもある業務」とは、どのような業務を想定しているのか。
厚生労働省・鈴木課長 製造業の請負団体についても徹底していきたい。
業務については今後議論をしていただくことになるが、部会では一般事務などがあげられていた。
労働側・?委員 今回まとめていただいたものは、非常に大きな日本で初めてとなる改正を含んでいる。派遣法の制定以来の大きな転換点にある。
そうはいっても、問題もある。届出や26業務の見直しなど早急に対応していただきたい。

[参考リンク]>>職業安定分科会所属委員名簿
[参考リンク]>>「今後の労働者派遣制度の在り方について」の答申について(厚生労働省)
[参考資料]⇒今後の労働者派遣制度の在り方について(20091228-2.pdf 316KB)

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