「今後の労働者派遣制度のあり方に関する研究会」レポート概要

今通常国会への労働者派遣法の改正法案の提出を目指し、一昨年から公・労・使による話し合いが進められていました。しかし、労働者保護を強化する内容で抜本的な法律の見直しを迫る労働側委員と、なおも規制緩和を進めようとする経営側委員の議論が平行線をたどります。公益委員も労使の意見の隔たりが大きく間をとることのできず、結局、改正法案をつくることはできませんでした。

しかし、労使ともに労働者派遣法の改正は必要であるとの認識から、厚生労働省に学識経験者(大学教授など)を委員とする研究会を設置し、一定の方向性を示すことになります。そして、2008年2月14日に第1回目の「今後の労働者派遣制度のあり方に関する研究会」が開催されました。この研究会では、今後、継続的に話し合いを行い、夏までに報告書をまとめ、その報告書をもとに、再度、労働者派遣法の改正法案の作成に向けて、公・労・使による議論が再開される見通しです。このため、研究会がまとめる報告書は、今後、作成される労働者派遣法の改正案の内容を左右する可能性が極めて高いものになります。

ここでは公開されている研究会を傍聴し、その様子を順次お伝えします。
なお、研究会の参集者は以下の通りです(敬称略。五十音順。◎が座長)

阿部正浩 獨協大学経済学部准教授
有田謙司 専修大学法学部教授
鎌田耕一 東洋大学法学部教授
橋本陽子 学習院大学法学部教授
山川隆一 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

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