26 7月

私たちは改正労働者派遣法案の早期成立を求めます

2011年7月13日
格差是正と派遣法改正を実現する連絡会(派遣法改正連絡会)
NPO派遣労働ネットワーク理事長 中野麻美
NPOガテン系連帯代表      木下武男
全日建運輸連帯労組中央執行委員長 長谷川武久
全国ユニオン会長         鴨 桃代

「リーマンショック後の2年余の間に雇用を打ち切られた非正規労働者は厚生労働省が把握した限りでも30万737人。その半分以上が派遣労働者で、しかもその42%は、期間満了前の契約中途解除だった」ことが明らかになりました。(厚生労働省2010年12月27日発表)。その後雇用情勢は落ち着きを見せ始めていましたが、そこに襲いかかったのが、東日本大震災と原発事故、計画停電による経済の縮小でした。派遣先による一方的な派遣切りが再現するとともに、震災便乗とでも言うべき休業・解雇・雇い止め・労働条件切り下げなどが、広がりつつあります。
しかし、大量派遣切りと年越し派遣村等の衝撃に応えて、公労使三者構成の労働政策審議会が建議し、国会に提出された改正労働者派遣法案は、国政の混乱と衆参ねじれ再現等の余波を受けて、2回ほどの審議が行われただけで、店晒しの状態が続いています。登録型派遣の原則禁止、派遣先の違法に対する「みなし雇用責任」の導入など、改正法案はこれまでの規制緩和一辺倒に歯止めをかけ、派遣労働者の権利実現にむけた一歩への期待を抱かせる内容でした。改正法案が放置されたままになっているのは大変残念でなりません。
一方、今年になって、東大社会学研究所(請負社員・派遣社員)、連合(パート・派遣等労働者生活アンケート)、日本人材派遣協会(派遣スタッフWebアンケート1万人調査)、東京都産業労働局(派遣労働に関する実態調査-常用型派遣を中心に-)、日本労働政策研究・研修機構(派遣社員のキャリアと働き方)、派遣労働ネットワーク(派遣スタッフアンケート)など、派遣労働者を対象にした調査の結果が相次いで発表されました。
それらの報告書を虚心坦懐に読めば、①正社員の仕事につけず派遣になったが、②キャリアアップを望むも派遣会社から十分な教育訓練も行われず、③差別や不安定な働き方に苦しみながらも、④派遣先正社員との均等待遇や生活の安定と将来的に続けられる仕事を求め続ける、という労働者像が共通なものとして浮かび上がってきます。
現在、格差社会に対して何もできないでいる政治に対して国民の不信は極まりつつあります。
国会はただちに、改正派遣法案の審議を再開し、派遣労働者の声を聞くべきです。審議をつくして法案を成立させ、現状の改善へ向けた実効ある一歩を踏み出すべきです。

【格差是正と派遣法改正を実現する連絡会】
連絡先:渋谷区代々木4-29-48西新宿ミノシマビル2F 全国ユニオン気付
TEL 03-5371-5202 FAX 03-5371-5172

私たちは改正労働者派遣法案の早期成立を求めます(20110713.pdf)